発達支援の5領域
発達支援のうち、「本人支援」は、子どもの発達の側面から下記の5領域にまとめられています。
・心身の健康や生活に関する領域 「健康・生活」
・運動や感覚に関する領域「運動・感覚」
・認知と行動に関する領域「認知・行動」
・言語の獲得に関する領域「言語・コミュニケーション」
・人との関わりに関する領域「人間関係・社会性」
これらの領域の支援内容は、お互いに関連して成り立っており重なる部分もあります。
(児童発達支援ガイドライン参照)
らくらではこの5領域の内容に対応した支援を実施しています。
子どもたちそれぞれに合わせた目標や課題を設定し、少しずつでもできることから始め、成功体験を積み重ねることで、社会に必要なスキルの獲得を目指していきます。
手洗い
感染予防のためにも手洗いは大切です。
来所時や外出からの帰宅時など、 都度手洗いを支援し習慣化を目指します。
※施設内はアルコール消毒・換気・室内の温度管理も徹底しています。
トイレトレーニング
発達段階や障がいの特性に応じ、ひ とりで上手にトイレを使用できることを目標に、視覚情報や時間の明示を取り入れたトレーニングなどを行います。
食事
マナーを意識した食事ができるようになるよう支援します。必要に応じ、理学療法士の指示を仰ぎ個人に合わせた安全で楽しい食事の場を提供します。
食育
月に一回程度、調理体験の場を提供します。素材の理解を深めたり、 調理の過程を学んだり、食文化に興味を持ってもらえるよう支援します。
掃除
掃除の時間を設けています。この時間を通し、掃除の習慣化や技術の向上を図ると同時に、自分が利用した場所に対するマナーを学ぶ機会としています。
買い物(自己選択・手段)
毎日買い物形式でおやつを提供しています。おやつには値札が付けられ、利用者は手持ちの手作り硬貨を使って自分で購入しています。自己選択と購入経験の学びの機会を提供します。
生活リズム
長期休暇期間や学校休業日は利用開始時刻を9:30とすることで、安定した生活リズムを目指します。また、年齢や障がいの特性に応じて、1日のスケジュールを可視化して支援を提供します。
整理・整頓
片付ける方法は2つあります。どこに何を置くかを目で見てわかるようにするという方法と、まず散らかっている状態を綺麗にしてから片付ける2段階方式です。発達段階や障がいの特性に合った整理・整頓方法で、構造化を図ることで片付けるトレーニングをします。
文化・季節のイベント
月に1つ〜2つほどテーマを設定し、季節や文化の理解を促進する制作活動を行います。節分・ハロウィン・クリスマスやお正月などの季節の行事については、準備の段階から参加してもらい心身の発達を目指します。
健康状態の管理
体調不良時には必ず検温を行い、必要であれば保護者様に連絡を入れます。体温の確認だけでなく、感冒症状や表情などから利用者の健康状態を確認します。
地震・火災などの避難訓練
年に2回以上、地震や火災を想定した避難訓練を実施しています。災害時の連絡方法は契約の際、保護者に把握していただきます。
〜心身の健康や生活に関する領域〜
〜運動や感覚に関する領域〜
粗大遊び
広々とした室内での遊びだけでなく、道路に飛び出す心配のない広い庭で安全に全身を動かして遊べる環境を整えています。長期休暇期間や学校休業日、外出ができる時間がある場合には、近隣の公園や公共施設などを活用し、全ての利用者が参加できる活動を提供します。
例)プール遊び・アスレチック遊び・トランポリン・サッカー・バスケット・ドッジボール・ブランコ ジャングルジム・おにごっこなど
感覚遊び
感覚の機能も器用さに影響を与えます。「見る・聞く・嗅ぐ・触る・味わう」の 五感を使って、季節に合わせ楽しむ感覚遊びを提供します。
例)新聞紙・スライム・お手玉・風船・プール遊び・水風船・トランポリン・しゃぼん玉 ・スライム作り
魚やザリガニ釣り・虫とり・土遊びなど
微細遊び
発達段階に合わせて、手や指を使った細かく精密な動作を必要とする 微細遊びの玩具を用意しています。
例)レゴブロック・LaQ(ラキュー)・K’NEX(ケネックス)・シルバニア・ドミノ・トランプ
パソコン入力・パズルなど
音楽活動(ダンス・聴知覚)
聴知覚、感覚運動 の発達を促す活動を実施しています。
歩行訓練
理学療法士の指示のもと、発達段階や障がいの特性に応じて歩行訓練を提供します。徐々に、バギーや車いすの使用時間を減少できるよう努めます。天気の良い日は近隣の公園まで歩行訓練を楽しく行っています。
自立課題(運動・感覚)
発達段階や障がいの特性に応じて、知覚運動を兼ねた自立課題を提供します。 同時に手指先の機能向上(微細運動)を目指します。
例)ビーズ・ミサンガ作り・キーホルダー作り・あみものなど
〜認知と行動に関する領域〜
パソコンスキルの向上
言語障害がある場合は、パソコンにて文字の入力、変換を行えるように支援します。
文字版の利用も検討中。
自立課題(認知・行動)
発達段階や障がいの特性に応じて、自立課題や制作活動の手順書を提供します。
例)新聞紙・スライム・お手玉・風船・プール遊び・水風船・トランポリン・しゃぼん玉
スライム作り・魚やザリガニ釣り・虫とり・土遊び・バスケットボールなど
運筆・視写練習
発達段階や障がいの特性に応じて 、運筆や視写練習のプリントを提供いたします。 運筆は字を書くためだけに身につけるものではなく、認知発達や感情発達の支援にもつながる重要なスキルです。学校からの宿題やらくらからのプリントをできる範囲で行っています。今現在の利用者本人の学習障害の把握も行います。
自立移動訓練
発達段階や個別の能力に応じて、学校から事業所、事業所から自宅など、自立して移動できるよう、ご家族や学校と連携しながら訓練をします。交通ルールや単独時の注意点を教示します。
〜言語の獲得に関する領域〜
帰りの会
帰宅前に帰りの会を実施しています。司会進行の役割を担ってもらうことで自己有用感を強め、「他者の話を聞く力」と「自己の気持ちを伝える力」が備わるよう支援します。
絵カード
発達段階や障がいの特性に応じて、絵カードのコミュニケーションツールを使用した支援を行います。自分の意思を伝える力とコミュニケーション能力の向上を目指します。
例)プリント、パズル、音楽、絵カード
読み・書き・発声練習
発達段階や障がいの特性に応じ て、読み・書き・発声を練習する時間を提供します。毎日個々に合わせたプリント宿題を通して発達の段階の把握に取り組んでいます。本人は理解している場合が多く、発音が苦手な子がほとんどです。会話、言葉を発することができるようらくら独自の声かけや言葉をつねにかける指導をしています。
手段
会話ができない聴覚障がいや知的障がいを抱える際は、音楽療法として聴力などの多角的な視点で支援します。
〜人との関わりに関する領域〜
安心基地
安心できる・信頼できる人との関わりについて学ぶ役割を担っています。落ち着きや癒やしが得られることで、利用者が前向きに行動してみようと思えるような場を目指します。個々の発達段階に応じ、個室も提供しています。
外出活動
長期休暇期間などの学校休業日を活用し、地域の商業施設や公共施設に外出しています。集団移動や公共スペースでのルールとマナーを実践しながら学ぶ機会を提供します。
音楽活動(チーム)
週に1回、「音の時間」では、他者との交流を目的としたプログラムを実施しています。ペアでの手遊びなどを通じて、ルールや役割を意識する力を身につけることを目指します。視覚や言語に障害がある利用者を中心に音楽の時間活動を設け、みんなで楽しむレクリエーションの一環としています。
レクリエーション(地域活動)
当日全ての利用者が下校する時間が早い日など、時間が確保できる際には、事業所内または近隣の公園で地域の子どもたちや学校との交流を行っています。ルールに従い、チームを組むことで互いを意識し、人間関係の構築ややさしい気持ちを育てることを目指します。
パソコンスキルの向上
言語に障害のある利用者を中心にパソコンでのローマ字入力ができる支援を行います。